もともとの記事(FANTA-G)では、値切っている光景を目の当たりにして、違和感を覚えたことが書かれていた。そして、これに対して、こちらの記事(WebLab.ota)では、値切ることは、楽しむことではないかと問題提起されている。値切り問題と言うより、価格設定がどうなっているかの話だろう。この記事で上げられている瀬戸物市は、本来は、難ありまたは、陶芸家が納得していないものを安く売るためのもので、必ずしも一般的な市場に出せるものが出ている訳ではないという実態がある。この点を踏まえると、同人誌即売会がどういうもので、瀬戸物市の商品とどう違うかを明らかにした上で論じる必要がある。同人誌即売会で販売される同人誌の価格設定は、利益を極限まで減らしているものが多い。したがって、値切りに応じることができない場合も多い。一方、在庫処分で、価格改定をして販売することもある。また、同人誌が瀬戸物と違うのは、著作物であるということであり、それに対応する商業作品は、漫画や雑誌、書籍であり、これらは、再販価格維持商品として流通している。創作をする側、つまり、サークルにとって、著作物であることから、暗黙の了解として、値切られることを想定しておらず、提示された価格で販売が行われるということが成り立っている。これが、購入する人(購入する人は、一般参加者だけではない)に値切ることを抑止する圧力となっているのではないだろうか。また、サークルがすべてのリスクを負っていることから、価格決定権はサークルにあり(一般の書籍等もコストの上に利益率を設定して出版社が決定するものだが)、それに釣り合わなければ、買わなければいいだけの話である。
価格決定権がサークルにあるということは、値下げ販売は、行われてもかまわないということである。まあ、イベント開催中に値下げをするのは、個人的には、ちょっと、気が引けるが、別のイベントで値下げをして販売するのは自由だと思う。また、サークルの都合での値下げ(たとえば、在庫がだぶついているとか)は、上で述べたように、問題は無いはずである。
いろいろと、理屈をこねてきたが、この話題は、はっきり言えば、余計なお世話な話題であって、釣られたというのが真相かもしれない。